

セントラル・バンク・ウォッチャー:スピード感の違い
まとめ
- 米連邦準備制度理事会(FRB):中立金利への道のり
- 欧州中央銀行(ECB):経済成長への懸念
- 中国人民銀行:多方面からの政策対応
FRBはこの夏の初めに利下げをためらう姿勢を見せ、ECBも金融緩和に二の足を踏んでいましたが、両中央銀行はすでに50bpの利下げを実施しました。両者が(緩和の)スタートを切ったことは明白であり、追加の緩和に向けた準備が整っているように見受けられます。欧米ともに、経済成長と労働市場に関する先行指標が軟調に推移しているため、政策発動を促す圧力が一段と強まっています。両中央銀行も、2025年半ばまでに政策金利を中立的な水準に誘導すると、ロベコは予想しています。
一方、中国人民銀行は、何年も前に(緩和の)スタートを切っており、今では完全な緩和モードに移行しています。経済および不動産市場の低迷と物価の下落傾向が続く中で、政策当局は「もう我慢できない」と考えたに違いありません。9月下旬に一連の景気刺激策が発表されたことに加えて、政策当局のコメントからは追加緩和の方向性もうかがえます。少なくとも、年末までに銀行の預金準備率(RRR)がさらに25~50bp引き下げられると、ロベコは予想しています。
これに対して、日本銀行は金融政策の引き締めに着手したものの、上記の主要中央銀行とは異なり、スピード感をもって行動する必要性を感じていません。最近の審議委員等の発言からは、近い将来の利上げや積極的な引き締め路線への転換の可能性は低いと考えられます。実際、ロベコの中心シナリオにおいても、年内の追加利上げを想定していません。
中央銀行の政策金利の見通し

出所:ブルームバーグ、ロベコ。2024年10月3日の金融市場先物・先渡取引に基づく
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