

債券アウトルック:供給が増える中で上昇する債券利回り
利回り上昇を受けて債券を選好すべき根拠は強まっているものの、債券供給の増加、インフレ、タイトなスプレッドが見通しを複雑にしています。統合版「債券四半期アウトルック」第1号では、マクロ経済、金利、クレジットに関するロベコの見方をまとめ、どこに投資機会が見出せるのか、そしてなぜ選別的な投資が重要なのかを考察します。
まとめ
- 高水準の利回り環境は、将来のリターンを支える堅固な基盤に
- 市場金利の上昇を受けて、レバレッジを利用する借り手とリスク資産に対する下押し圧力が増大
- AI関連投資の拡大は、関連企業による社債発行の増加を伴い、債券市場の枠組みを変える要因に
AIは通常、テクノロジーや株式市場のテーマとして捉えられますが、債券投資家にとっては、社債の供給に関連するテーマとなりつつあります。現在、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の2027年の設備投資見通しに関して、コンセンサス予想は1兆ドルを上回る水準に達しています。これに伴い、最大手テクノロジー企業の社債発行見通しも、デット・ファイナンスによる投資の比重の高まりを受けて、大幅に上方修正されています。
また、資金調達を必要とするのは、ハイパースケーラーに限りません。データセンターは大規模かつ安定的な電力の供給を必要とするため、電力会社や送配電事業者も共通の投資サイクルに組み込まれています。AIインフラの拡大に伴い、資金需要はAIの広範なエコシステム全体に広がっています。
利回りの上昇を受けて債券を選好すべき根拠は強まっているものの、大規模なポジションを一方向に傾けるような市場環境ではありません。
企業部門における新たな資金需要は、政府・国際機関などの発行体がすでに大規模な資金調達ニーズを抱える局面で顕在化しています。引き続き、財政赤字が高水準で推移し、ソブリン債の発行額が高止まりする一方で、公共投資への需要は拡大しています。その結果、共通の長期資金プールをめぐる、政府、テクノロジー企業、公益企業の競争は激しさを増しています。
これは、近年続いたトレンドの転換を意味します。ここ数年の金利上昇局面において、企業は借り入れを抑制するとともに、負債の償還年限を短期化し、純発行額の削減に努めてきました。債券の供給が限られる中、投資需要が持続したため、クレジット・スプレッドは需給面から強力なサポートを受ける展開となりました。足元で、供給不足から供給過多の構図へと変わりつつあります。
投資家にとって、供給の増加はリスクを意味するだけではありません。投資の選択肢が広がることに加えて、信用力の高い銘柄の投資妙味が増すことも考えられます。それと同時に、供給不足を背景とするスプレッドの低位安定に依拠するのではなく、投資対象を幅広い業種、年限、通貨の観点から、アクティブに選択する必要性が高まっています。
表1-債券の評価一覧

本表は例示のみを目的としたものであり、上記時点における見解を示しています。将来の動向を保証するものではありません。また、記載されたセクター、市場、地域、テーマ、時価総額区分または国への投資が、過去に収益を上げた、あるいは将来収益を上げることを示すものではありません。
出所:ロベコ 2026年10月現在
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金利、クレジット、新興国債券に関する詳細な見方や、より前向きな見通しにつながり得る要因等については、債券四半期アウトルック完全版をご覧ください。また、主要メッセージとポジショニングの考え方については、債券四半期アウトルック要約版(英文)をご覧ください。
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