四半期アウトルック

クレジット・アウトルック:決別に伴うばらつきの拡大

「クレジット四半期アウトルック」では今回初めて、完全版と手軽に読めるように準備した要約版(英文のみ)を発行しました。

Authors

    CIO High Yield, Portfolio Manager
    Portfolio Manager

Summary

  1. 投資家は「関税の脅威におびえている(tariffied)」
  2. 自動車より軍事装備の生産に軸足を置いた欧州の産業復興
  3. 資金フローは米国から欧州・アジアへとシフト

トランプ政権は国益増進の交渉手段として関税政策を利用しているだけであって、最終的には米国企業や自らの支持者の利益を優先して合理的に行動するだろう、というのが大方の見方でした。この見方は、「米国例外主義」という命題の根底を成してきました。しかし、今になってようやく真相が判明しました。米国政府は最も緊密な友好国とも距離を置き、その結果、貿易戦争のリスクは制御不能になりつつあります。

その後、ドイツ政府は前例のないような財政政策の転換を、EUは追加的な財政刺激策を発表しました。債券市場とクレジット市場に及んだ影響は、周知の通りです。市場金利は米国では低下、欧州では上昇しました。クレジット市場では、超過リターンが反対の方向に動き、欧州のクレジットが米国のクレジットをアウトパフォームしました。このような負の相関関係は極めて異例ですが、現在の環境においては、完全に理にかなっていると言えるでしょう。

スタグフレーションに対する懸念が浮上し、米国例外主義の終焉が取り沙汰される背景には、関税に関する計り知れない不確実性と、それに関連する経済の不安定性があります。米国では、インフレ期待が高止まりする一方で、複数の経済成長関連の指標が景気の減速を明確に示すなど、リスク資産は厳しい環境に直面しています。

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